辰學舎が実績公表をしないわけ
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実績公表はしません

 私は「国語そろばん教室」の道をはさんだ向い側で、『辰學舎』という少人数制の塾を運営しています。今日はその教室のお話をしたいと思います。

 辰學舎は、成績向上の実績や合格実績を一切公表いたしません。

 学習塾としてそれは致命的なのではないかという意見があるでしょう。そのことは重々承知しています。しかし、絶対に実績公表はいたしません。

 これは、辰學舎を運営する上での大前提であり、今後も変わることはありません。実績を公表しないことで、不信感を持つ方が一定数おられることでしょう。それでも実績は公表しません。いくら世間から馬鹿にされようが、同業者から陰口をたたかれようが、この方針は今後も曲げるつもりはありません。

 では、なぜそんな一見馬鹿げた方針を掲げるのか、理由を以下に述べてゆきます。

理由1:教育方針が揺らぐ

 辰學舎の教育方針は決まっています。「点数・順位争いをしない」「自己管理能力を伸ばす」「非認知能力に働きかけ勉強好きになってもらう」の3つです。その結果として成績が向上することを目標にしています。

 一度、実績公表をしてしまうと、公表をやめることはできなくなります。宣伝材料が「成績向上・合格実績」なので、それをやめるということは、その強みがなくなったと市場に判断されるリスクが生じます。したがって、実績公表に手を染めた塾は、今後も塾を運営し続ける限り実績を公表し続けなければ集客の根拠が失われることになります。結果、通ってくる生徒に対して、実績作りを優先した指導が行われることになります。

「結果が伴うのだから好循環ではないか」

という意見もあるでしょう。

 その通りです。良い面もあります。そういう教室は、成績向上・合格実績を作るためのインセンティブが強力に働いています。それが塾の役目だという意見があることも私は承知しております。

 しかし、そういう教室では、生徒の精神的成長や勉強に対する心構えにじっくり取り組むことは困難になってしまいます。

  私は、辰學舎の教育方針を「点数・順位争いをしない」「自己管理能力を伸ばす」「非認知能力に働きかけ勉強好きになってもらう」に決めてしまったので、熾烈な順位争いや得点争いに参加することはできません。ましてその結果を公表することは、私にとっては飲んではいけない薬に手を出すようなものなのです。

理由2:テストで結果を出す前にやることがある

「勉強する・しない」は、ほとんど心理学の問題だと考えています。

 私の目的は、勉強を好きになってもらうことです。しかし、生徒の勉強好きの度合いは個々に違うので、画一的な対応はできません。一見同じ指導をしているようでも、生徒によってかける言葉は微妙に変化させなくてはなりません。

 勉強好きになってもらうことは、目前のテストで100点を取るよりも余程大切なことであるというのが私の考えです。理由は簡単です。いくら好成績を取ったとしても、心構えが追いついていなければどこかでボロが出ることが分かっているからです。

 これは、私の過去の痛い経験から学んだことです。小学校高学年までは順調に成績を伸ばしていた生徒が、反抗期に入った途端、全く勉強しなくなりました。その生徒には、私と保護者の両者で「勉強するのが当たり前だ」と頭ごなしに勉強させていました。小学生のうちはそれでも押さえが利いていましたが、中学生になり、見事にその反動がやってきたのです。

 私はさまざまに手を尽くしましたが、その生徒は立て直すことができませんでした。私にとっては苦い経験です。勉強に対する心構えや考え方を育てることなく、押し付け続けたことでその生徒の心は勉強に背を向けるようになってしまったのです。

 子供は、心で勉強します。心が決まっていないのに、無理やり勉強をやらせても、必ずどこかで反動を迎えます。それがいつやってくるかはそれぞれでしょう。しかし、人間は一生勉強です。大学に合格したら、就職したら、会社役員になったら、勉強をやめていいものではありません。むしろそうなってからが本当の勉強の始まりです。

 勉強に対する心を作っておくことが、成績向上よりも重要だと考えるのはそういうわけです。

理由3:さまざまなニーズに応えるため

「おまえのこだわりはいいから、さっさと成績を上げてくれ」

 こういう方は、うちの教室には向いておりません。

 塾は学校と違います。「選べる」のが塾の良さです。

 しかも、気に入らなければいつでもやめて、違う塾に行くことができます。

 生徒の抱える課題はさまざまです。その中には、一朝一夕には解決しない課題もあります。じっくり長い時間をかけて取り組まなくてはならない場合、得点力や即座の成績向上は一旦横に置かなくてはならないこともあります。

 私の教室には、まさにさまざまな課題を抱えた生徒達が在籍しています。中には、目先のテスト結果めがけてひとつひとつのテストを戦う生徒もいます。1学年先の勉強をしている生徒もいます。県外の私立中学を狙っている生徒もいます。学習障害を抱えた生徒もいます。このように、目標・目的がそれぞれに違います。

 それぞれのニーズに、個々に対応していますので、「○○くん、算数10点UP!」のような宣伝を打つのは、ちょっと違うのです。

まとめ

 そんなわけで、辰學舎では実績公表をいたしません。塾選びの際、その塾がどんな実績を有しているかは、選ぶ側にとって非常に重要な情報です。それでも「出しません」と言い張る私を「正気の沙汰ではない」と思う方もいるでしょう。それに対して、私は「実績を出したら負け」と思っているのだから始末におえません。私は、教室に通っている生徒を守らなくてはならないし、私を信じて通わせてくださっている保護者の信頼に応えなくてはなりません。そのため、やはり実績公表はできないのです。

 今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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さくらぷりんと
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