
塾は16日までお盆休みです。
私は、休みの日は基本的に家にいます。
塾の仕事がない日は、ブログを書いたり、プリントサイトの仕事をしたり、積ん読を片付けたりしています。
しかし、娘が出かけたがるので、結局毎日どこかには車を出すことになります。
今日は、連日の遊び疲れが出たのか、娘がお昼寝をしているので、前回に続いて本の紹介をいたします。
『たった5分で言わなくてもできる子に変わる本』はノウハウの宝庫
私の教室は、幼児が全生徒の20%以上を占めています。
したがって、私の収集する本も幼児関連のものが多いのですが、子育て本の2大ブランドと言えば「アドラー」と「モンテッソーリ」です。
この本の著者である伊藤美佳氏は、ご自身の経営するスクールでモンテッソーリ教育を実践されています。
本の内容を一言で述べるとしたら
ノウハウの宝庫です。
乳幼児期のお母さんなら、誰もが経験するような悩みについて数多くのヒントが書かれています。
朝のしたくも自分でできる
「残さずたべなさい」「ダラダラ食べはいけない」の落とし穴
「買って買ってとギャン泣きする習慣を変える方法」
「着替え」がラクになる段取りセッティング
トイレットペーパーの長さの適量、どこまで切るか
などなど、気になる内容が盛りだくさんです。
そして、すべてのノウハウは、著者自身が教員資格を取っているモンテッソーリ教育の考え方を土台としています。
というか、この著者の伊藤美佳という人は、ものすごい数の資格を取得しています。
この本の中で紹介されているノウハウの底流にある思想を私なりに大ざっばにまとめてみます。
◆言葉や口でガミガミクドクド指示するのではなく、子供がやりたくなるようにもっていく。
◆子供の成長は千差万別だから、「できない」に注目したり発達の遅さを嘆くことはない。
◆「ダメ」と言ってはダメ。望ましくない行動も、なるべく叱らないでやめさせる。
こんな感じでしょうか。
名前は伏せますが、どこかの国語そろばん教室の塾長が普段主張していることとよく似ていますね。
「ダメ!」が子供から奪うもの
さて、本書の中での実践を1つご紹介いたします。
「ダメダメ、そうそうワーク」という実践です。
子どもたちをA、Bの2つのグループに分けて、Aグループの子ども達には「ダメ!」、Bグループの子どもたちには反対に「そう、そう」という言葉をかけて「カバンを持つ」という行動に導いていきます。
Aグループの子どもたちには、少しでもカバンと違う方向に行こうとすると、「ダメ!」と言います。すると、子どもはフリーズしてしまうのです。
次に、Bグループの子どもたちがカバンの近くに来たときには「そう、そう」と言います。離れたら、何も言わずにおきます。
「そう、そう」と言ってもらえると、「こっちなんだな」と思って、子どもは動きます。違った動きをしても、何も言われなければ、「あ、違うんだな。本当は何だろう」と考えます。
「ダメ!」と言われるだけで、行動が止まってしまうのは、「ダメ」と遮断されることで、どんどん考えないようになっていくからです。
(中略)
「そう、そう」は自分で考えて答えを見つけることができるので、次からは絶対に忘れません。
(中略)
この結果、「いつも口うるさく言うお母さん」と、「言わなくてもいいお母さん」が出来上がるのです。
「ダメダメ、そうそうワーク」の実践はが興味深いのは、
「ダメ!」という禁止語によって、子供の考える力が奪われてしまう仕組みが明らかになっている点です。
引用部分最後の「いつも口うるさく言うお母さん」は、「お母さん」の部分を「先生」に入れ替えても同じことです。
「ダメ!」
「ちがう!」
「そうじゃない!」
こんな言葉をよく口にする先生は、日常的に子供の考える力を奪っていると言えます。
まとめ
この手の「子育て系ノウハウ本」は、巷にあふれかえっていて、一体どれを手に取っていいのか、迷っている方もいらっしゃることでしょう。
私自身、この手の本は多数手に取ってきました。
その中で、この本は0歳~6歳の子供をお持ちの親におすすめできる良書です。
著者自身が指導経験豊富であり、本の中には読むだけですぐに実践可能なアイデアが沢山詰まっていて、値段以上の価値があります。
興味がある方は是非ご一読ください。