久しぶりの競技会だったので、昔のことなどを思い出したりしていました。
これは今から十年ほど前の話です。よければお付き合いください。
その頃の私の教室は、ちょうど競技会で強くなり始めた時期でもありました。
年長児で暗算3級合格なんていう生徒が何人かいて、本人たちも一生懸命練習していました。
当時の私は、自分の教室の生徒がもっともっと上手になるにはどうしたらいいか考え続けていました。
そこで、愛媛のとあるそろばんのイベントを見学しに行きました。
そのイベントはいろいろと衝撃的で、ものすごい活気があることにまず驚きました。
先生が十何人もいて、生徒は百名以上集まっていたでしょうか。
そんな活気の中で、生徒達はどんどんそろばんのプリントをこなしていきます。
完全に圧倒された私は、主催の先生に、どうしてこんなすごいイベントができるのか聞きました。
愛媛県のそろばんは四国最強です。
十段合格者が数え切れないほどいて、四国大会でも四県の中で毎年圧倒的な強さを誇っています。
愛媛の先生が私に教えてくれたことは以下のようでした。
1 愛媛のそろばんの先生は、全珠連と日珠連の両方に所属するのが普通であること。
2 ほぼ毎月何かのイベントや大会があって、息つくひまもないこと。
3 複数教室による合同練習や合宿を積極的に行っていること。
それを聞いた私は
「なるほど、だから愛媛は強いんか。じゃあ自分も」
と思い、帰ってきて早速行動に出ました。
当時、香川県で日珠連を仕切っているであろう教室の先生に電話をかけて、
「うちの生徒をそちらの日珠連の大会に出場させてください」
とお話を持ちかけたのです。
で、どんなお返事をいただいたかと言うと、
という意味のことを言われました。
もう十年も前のことなので細かい表現は覚えていませんが、とにかくそういう意味のことを言われたのです。
まあ、先方にもいろいろとご事情があったのでしょう。
しかしながら、愛媛の先生方の団結力や、そろばんを盛り上げようという姿勢に感銘を受けていた私からすると、絶句するしかありません。
一体どういうわけで、香川県の全珠連と日珠連は分断されているのか理由は分かりませんが、過去に「何かがあった」ことは想像がつきます。
私としては、目の前にいる生徒にもっと上達してもらうことで頭が一杯だったので、「何かがあった」ことを深掘りすることはいたしませんでした。
日珠連の先生方とは残念ながら今でも交渉はありません。
その後、私は別の事情により、全珠連を一時離れることになりましたが、結局全珠連に戻ってまいりました。
いつか一緒に競技会やイベントをできる日が来るといいですね。