かけ算かわり算か(割合の文章題をどう教えるか)

算数と数学の割合の文章題は、多くの生徒が苦労します。

今日は、私がどのような考え方で指導しているかについてお話をいたします。

昨夜は中学生に方程式の文章題を指導していました。

問題1
ハンカチ2枚を定価の3割引きで買ったところ、2000円を出しておつりは880円だった。ハンカチ1枚を何円で買ったか。

こんな問題だったと思います。

 

よくある間違いが下のようなものです。

 2x × 0.3 = 2000ー880

かけ算の意味

かけ算の関係が言語化されたときに、文章題本文ではどのように表現されるか

をきちんと順序だてて理解しないと、このような間違いをしてしまいます。

そして、表現による違いが分かるようにならなくてはいけません。

 

定価の3割 → 定価 の0.3倍

       (定価)× 0.3

定価の3割引き → 定価から 定価の0.3倍を引く

         (定価)- (定価)× 0.3

 

定価の3割引きの式は、分配法則を使って以下のように変形されます。

 (定価)× 1 - (定価)× 0.3

=(定価)×( 1 ー 0.3 )

=(定価)× 0.7

 

ポイントは 

「〇〇の□割」「○○の□%」「○○の□倍」

すべて 〇〇×なんとか という倍の関係を表している点です。

これを理解すれば、算数も数学も文章題に強くなれます。

問題2
ある商品を定価の7割で売ったところ売価は1400円であった。この商品の定価はいくらか。

このような問題について、もうさんざん練習したので見ただけでわり算だとわかる場合はよいのですが、そうでない場合はしっかりと倍の関係を理解してから問題に取り組むことが大切になります。

しかし、ほとんどの生徒は、「割るの?かけるの?」という発想から入っているようです。

これは割合の本質を理解せずに、公式にたよって問題を解こうとするからそうなります。

割合の3公式

もとにする量×割合=くらべる量

くらべる量÷割合=もとにする量

くらべる量÷もとにする量=割合

この3つの公式を丸暗記して割合の文章題に挑むのはおすすめしません。

覚えるのは、一番上の

もとにする量×割合=くらべる量

だけでいいです。

そして、私の場合、(もとにする量)×(割合)の部分は

 「〇〇の□倍」と同じ意味

と理解してもらうことに重点をおいています。

 そうすれば、問題2の考え方は次のようになります。

(定価)の7割は1400円

という関係から、

(定価)の0.7倍は1400円(○○の□倍)

と表すことができますので、式は次のようなかけ算になります。

(定価)× 0.7 =1400

 いきなりわり算の式を書かせるのでなく、倍の関係を表すかけ算の式を書きます。

そこから、どんな形のわり算になるのかという順序を徹底します。

この問題の場合、(定価)を求めるので、

 1400÷ 0.7 = 2000  答え 2000円

となります。

 

私は、この種の売買損益の問題を小学校2年生に教えなくてはならない場面があります。

なぜなら、そろばん教室で級が上がると、応用問題といって、算数の文章題が出題されるからです。

低学年に割合を教えて、なおかつ理解してもらわないといけません。

工夫に工夫を重ねて四苦八苦しているうちに、割合を教えるのが得意になってしまいました。

たとえば、そろばん1級の文章題では次のような問題が出題されます。

そろばん1級応用問題の例題
仕入れ値に16,400円の利益を見込んで定価をつけたが、定価から25%値引きして71,700円で売った。仕入れ値はいくらであったか。

1級を受験するとなれば、小学校低学年であってもこんな問題を解けるようにしなくてはならないのです。

 

 

 

さくらぷりんと
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