
本日も私の妄想話でございます。
子供のやる気を失わせる3大要素の「2ノルマを課す」「3勉強しろと言う」は本質は同じなのでまとめてお話させていただきます。
本題に入る前に、私が過去に保護者の方に聞かれた質問をご紹介します。
さて、皆さんでしたらどう答えますか?
もくじ
右と言えば左、左と言えば右に行く子かな
私の教室は、かなり変だと言っているのですが、具体的にどう変わっているかというと。
「疲れた、やる気が出ない」
という生徒に、
「じゃあ、勉強しなくていいからそこの本棚にある図鑑でも眺めてなよ」
と先生である私が本当に言っちゃうぐらい変わっています。
塾の先生なのに「勉強しなくていい」なんて頭おかしいのか?と思われるかもしれません。
私は間違いなく頭はおかしいのでその辺は心配無用です。
しかし、非常に面白いと思うのは、私に「勉強しなくていい」と言われたこの生徒は、結局
「やっぱりプリントする」
と言って、とても集中して勉強し始めたことです。
この話は妄想ではなく、実話です。
ところで、私は7~8年前に悟ったことがあります。
という法則です。
要するに、指図されたり、強要されたりするのがとっても嫌なのが子供という生き物です。
付け加えると、大人の言う通りに行動しないというのは、自我の発達の上でも必要な過程です。逆に、素直すぎる子供は注意が必要です。
よく考えたら大人だって同じです。
しかし、大人は仕事や人間関係で我慢しないといけないことが多いので、内心はイライラしながらも、指図に従い、強要も甘んじて受けることがあります。
当然ながら、子供には、食わせる家族も会社での立場もありません。
だから、指図が無駄なのは当たり前です。
勉強しろと言えば勉強しなくなる
勉強に関して言えば、
「勉強しなさい」
なんて子供に言うのは本当に最低の言葉かけで、
これほど見苦しくて、
傲慢で、
押しつけがましく、
思いやりがなく、
自己中心的な言葉はない
というぐらいひどいものです。
「勉強しなさい」
と1回言う度に、子供の偏差値は1下がると言う先生もいるくらいですから気をつけなければなりません。
ところで、日本語には「類義語」というのがあります。
「勉強しなさい」
の類義語をここで一気にご紹介いたします。
「宿題したの?」
「まだやってないの?」
「いつまでやってるの」
「はやくしなさい」
「いつまでゲームしてるの?」
「Youtubeばっかり見てるんじゃない」
「〇時までに終わらせなさい」
「あと〇ページ頑張りましょう」
などなどです
「勉強しなさい」の類義語を一切使わずに過ごすことは可能です。
ここで皆様のFAQにお応えいたします。
Q「上記の言葉を一切使わずに、子供が宿題をやらなかったらどうするんだ?」
A「宿題は子供の課題であって、あなたの課題ではありません、放っておいて大丈夫です。私にも子供がいますが、宿題をきちんとやっているかどうかさえ確認したことはありませんが、立派に育ちました。」
Q「ゲームやYouTubeばかりする子になったらどうするんだ?」
A「どうもしません。どうせ飽きます。どうしても飽きないならゲームやYouTube関連の仕事につく才能があるということです。また、ゲームが好きな人は、ゲーム感覚で勉強や仕事をこなす力が身につきます。暖かく見守ってあげましょう。」
Q「一切勉強しない子になりそうで心配です。」
A「心配は、親の都合です。勉強について、親からあれこれ言う方が、勉強しない子になる確率を高めています。」
以上のように、子供に指図したり強要したりするのは、子供のやる気を失わせ、勉強以外の逃げ場に向かわせる原因になるのでやめましょう。
ここまで読んで絶望している方もいることでしょう。
「じゃあどうすればいいのさ」
と思われる方もいるでしょう。
大丈夫です。
親は何もしなくていいのです。
勉強について親がしてあげられるのは、せいぜいお金を出してあげることぐらいです。
いろいろな習い事や勉強をさせて、本人が「やりたい」という教室に通わせてあげてください。
むしろ、「勉強やめなよ」と言ってもいいぐらいです。絶対にやめませんから(笑)
ところで、
「いつまでゲーム(勉強)してるの?」
「ゲーム(勉強)ばっかりするんじゃない」
「ゲーム(勉強)はあと〇〇分ね」
のように「ゲーム」の部分を「勉強」に入れ替えたり、
「はやく勉強(ゲーム)しなさい」
「まだ勉強(ゲーム)してないの?」
「ちゃんと勉強(ゲーム)しなきゃだめでしょう」
のように「勉強」の部分を「ゲーム」に入れ替えたら、
きっと子供はゲーム嫌いになって、勉強が好きになると思います。
教室ではどうしているのか
私の教室では、「やれ」と言う指図をなるべくしなくて済むようにしています。
うちの生徒はその日勉強することを自分で書きます。
やる順番も生徒まかせサイコロまかせです。
だから、私が「やれ」と言わなくても生徒が勝手に勉強を始める仕組みになっています。
私はえらそうに座って生徒を見てるだけの簡単なお仕事です。まるで日銀総裁みたいでかっこいいですね。
真面目な話をすると、だらだらして、なかなか進まない生徒がいたら、例えばこのように言葉をかけます。
「〇〇ちゃん、なんか困ってない?」
困っている場合→先生と一緒に問題を解く
困っていない場合→はっと我に返って勉強を再開する
のようにたいていはなりますので、「ちゃんとやれ」や「だらだらしない」などのお説教系の言葉を使わなくても、生徒の意識を勉強に戻すことができます。
他にも、
「〇〇ちゃん、難しい?」
「〇〇ちゃん、お迎えは何時何分何秒ですか?」
「〇〇ちゃん、おはよう(おかえり)」
「〇〇ちゃん、今日は元気なさそうだけど大丈夫?」
のようなバリエーションがあります。
集中していない生徒や、おしゃべり優先になっている生徒がいたら、とりあえずニコニコと上記のような言葉かけをしていれば大丈夫です。
私に弟子入りすれば、「勉強しろ」だの「うるさい、まじめにやれ」みたいな威圧系の言葉や、お説教系の言葉を一切使わずに教室の雰囲気を自在に操れる教師になれます。
何より、生徒に嫌われることがないので、毎日授業するのが楽しくてしょうがなくなります。
宿題も強制しない
宿題は原則として「やる・やらないは本人が決める」ことになっています。
私が宿題を出すこともあります。これについてはまだまだ理想を追求する余地がありますので、今後の課題です。
しかし、原則は自由なので、生徒は勝手にプリントを持って帰って、勝手にやってきます。
「さくらぷりんと」でプリントを印刷して、やってくる生徒もいます。
検定日近くになって、あわてて家でやるプリントを持って帰る生徒もいますが、それも成長過程の1つです。
話が分かりそうな時期を見計らって
「検定の2週間前には9割の点数がとれるようにもっていくとたいてい合格できる(検定の合格点は7割)」
みたいな話をすると、次から自分で考えるようになります。
私の教室では、このような形で「勉強しなさい」「宿題しなさい」という要素を排除しています。
だから、うちの生徒はよく勉強します。
「嘘つけ、お前の教室には勉強が好きじゃない生徒だっているじゃないか」
と言われそうですね。
その通りです。というか、当たり前です。
勉強が好きじゃない生徒や、苦手な子供はいます。
そういう生徒に勉強を好きになってもらい、自分からやる気を出せるように育てるには、じっくりと腰を据えて指導し、待ってあげる必要があります。
最終的に子供が「やめたい」と言った場合、私は保護者の希望より本人の意思を尊重します。
子供も一人の人間です。大人の意のままになるなどという幻想は捨てています。
私は変人ではありますが、魔法使いではないので、私の教室に来たからと言って、いきなりその日から子どもがやる気満々になったりはしません。
また、生徒がいつやる気になってくれるか、私にもわかりません。
生徒のやる気がなくなる要素を排除し、生徒自身が主体的にやる気を出してくれる確率を高めていく。
これが私の仕事です。
まとめ
①子供は「右に行け」と言われたら左に行く。
②「勉強しろ」と言ったら勉強嫌いになる。これに類する強制や説教も同様。
③宿題は本人に決めさせるのが理想
本日もお付き合いいただきありがとうございました。
次回で最終回です。