2019年一番心に残った本

 いろいろあった今年も、今日で一応仕事修めになります。(記事の更新はまだまだやる予定です。)

 今年読んだ本の中で一番心に残った本をご紹介しようと思います。

 その本とは、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』です。「綴りが間違ってるんじゃないか?」と思われた方。するどいです。後で触れますが、実は筆者が意図的にこういう綴りにしたそうです。  2018年に刊行されるや、あっという間に話題になった本なので、まことに周回遅れ感が否めませんが、私なりの感想を書いてみようと思います。よろしくお願いします。

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ファクトフルネスとは?

 主張の骨子はこうです。

人間には、つい陥りがちな10の本能があり、それによって思い込みが生じる。データを基に世界を正しく見る習慣が我々には必要だ。

10の本能とは、「分断本能」「ネガティブ本能」「直線本能」「恐怖本能」「過大視本能」「パターン化本能」「宿命本能」「単純化本能」「犯人探し本能」「焦り本能」の10です。

 例えば、「分断本能」とは、我々が「世界は分断されている」と思い込みがちであることを指します。筆者は、その際たるものが「発展途上国」「先進国」という区分けであると指摘した上でデータを示し、私たちの思い込みを覆してくれます。

中でも心に響いたのは「焦り本能」

 10の本能のどれもが納得させられるもので、自分自身の認知バイアスを自覚し、修正するいい機会になりました。「データに基づき正しく世界を見る」と聞けば大げさな感じがします。ところが、本書を読み進めるうちに、実際にはこの10の思い込みは日常生活のそこかしこに転がっていることに気づかされます。

 中でも「焦り本能」は、個人的に思い当たることがたくさんあって落ち込みます。

「自分はトラブルに直面しても冷静さを保てる人間である」

というのは、完全なる思い込みでした。

 2年前のことです。

 私が頼りにしていたスタッフの1人が、家庭の事情を理由に退職を申し出てきました。私は、申し出を受け入れ、送別会まで開きました。一方で、彼女の穴埋めとなる人材を募集し、なんとか退職前に代わりの人材を雇いました。しかし、これが大きな間違いだったのです。私は売上確保に「焦って」正しい行動をとることができませんでした。正しい行動は、彼女が担当していた講座の閉鎖でした。

 これが、「焦り本能」によって失敗した私の代表例です。

 他にも「焦り本能」が引き起こした判断ミスは数知れずあります。

 余談になりますが、私の失敗について妻と語り合っていたときに

「よくそれだけ失敗してきたのに、生きてるよね」

と言われたことがあります。

 たしかに、失敗だらけの人生なのですが、逆に言えば失敗や判断ミスを減らすことで多くの成功を手に入れられるのではないかと思っています。

 ファクトフルネスを実践すれば、確実に失敗や判断ミスの数は減らせるでしょう。本書の中で、著者の実体験を通してそのことが語られています。

巻末資料がすごい

 この本のすごいところは巻末資料です。

 参考文献の数にも圧倒されますが、それ以外にも面白いものがあるのでご紹介します。

 この本の翻訳は、上杉周作・関美和というお2人がなさっていますが、このうち上杉周作さんの

『ファクトフルネス』批判と知的誠実さ: 7万字の脚注が、たくさん読まれることはないけれど

https://jp.chibicode.com/factfulness-notes

 というページにまず目を通すと

『ファクトフルネス』の出版元である日経BP社との契約には、ウェブ脚注を訳すという仕事は含まれていなかった。訳したところでわたしには一銭も入ってこない。

 けれども先ほど書いたように、「脚注または参考文献をすべてネットにあげる」ということは、もっと当たり前になるべきだ。ただ、そう主張するのなら、自分が率先してやらないと説得力がない。

 と書かれています。

「誠実+酔狂」な人なんですね、上杉さんって。私はこういう人には、思わず好感を持ってしまいます。ここを読んでしまったので、

 『ファクトフルネス』ウェブ脚注

https://factfulness-source.chibicode.com/

 のリンクを最初に貼ることができませんでした。

 もう1つ、本書の中でも触れられていた「ドル・ストリート」ですが、ギャップマインダーというサイトで見ることができます。

 ギャップマインダーとは、スウェーデンの財団で、「すべての人が理解可能で、事実に基づいた世界の見方を推進する」とあります。

ギャップマインダーとは何か

https://www.gapminder.org/about-gapminder/

ドル・ストリート

https://www.gapminder.org/dollar-street/matrix

 世界は、悪いことも良いことも両方起こっているが、全体的には世界はどんどん良くなっている。

 このことをデータで知ることができます。(もちろん本だけでも十分知ることができます。)

まとめ

 この本は、ブログやYoutubeなどいろいろなところで要約されているので、本書を手に取ったことのない人でも、概要はなんとなく知っている方も多いのではないでしょうか。

 この本の魅力は、ファクトフルネスという新しい視点・思想にとどまるものではありません。各章で必ず語られる筆者ハンス・ロスリングのときに面白くときに壮絶な体験談も、この本の大切な魅力です。

 さいごに、「FACTFULNESS」の綴りについてですが、巻末資料には「東洋の絨毯には少なくとも一ヶ所は意図的な乱れがあるという話に発想を得てのことだ(中略)私たちが人間であって完璧な存在ではないことを思い起こさせてくれる例だ」とありました。ということで、Lが1つ少なくなっているのだそうです。

『ファクトフルネス』についての私の感想文はここまでとなります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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