ラッセンより普通にゴッホが好き!

 

こんにちは。上の娘です。私もブログを時折書かせてもらえることになりました。

 

何を書こうか悩んだのですが、今回は私の好きな本に書かれている言葉を紹介しようと思います。

 

あなたは画家の生き様に興味を持ったことはありますか?

今日紹介する本は、ポール・オースターの『ムーン・パレス』(訳 柴田元幸)です。

この本は私が以前好きだった芸能人の愛読書でした。挫折せず、最後まで読めたのはその人のおかげです。

 

ひとまずあらすじをWikipediaで見てみましょう。

 

コロンビア大学の学生だったM・S・フォッグは伯父ヴィクターを亡くし、彼の蔵書を処分し始めていた。貯金を使い果たしたフォッグは公園で残飯を漁る生活をする様になってしまった。それから彼は親友のジンマーに助けられて居候生活を始め、その頃に中国人女性キティ・ウーと出会って肉体関係を持つ。コロンビア大学でアルバイトの斡旋を受けたフォッグはトマス・エフィングという老人の下で住み込みの仕事を始めた。当初は書物の朗読といった仕事ばかりだったが、後にエフィングは徐々に自らの過去を語り始めた。老人はジュリアン・バーバーという死亡した筈の画家だったと明かした他、グレシャム兄弟が強奪して来た金を、彼らを殺害した上で持ち去ったと証言した。そして、フォッグは老人の息子ソロモン・バーバーと面会した。彼はフォッグの母エイミーと男女の関係にあったと告白した。つまり、ソロモンはフォッグの父親、エフィングは彼の祖父だったと判明したのである。

 

 

前半は、あらすじにもあるように、うんざりするような大学生の青春小説です。

あまり面白くはありません。

重要なのは主人公がトマス・エフィングという老人に出会ってからのことです。

彼が画家として生きていた自らの過去を語る部分がこの小説の一番面白い部分です。

魅力的だが危険な人生を、送りたくても送ることが出来ない。

そういう人ならば、彼の話に虜になることは間違いないでしょう。

 

私がこの本の中で好きな部分を二つ、引用したいと思います。

 

一つ目は主人公のフォッグが、老人エフィングに街中のあらゆるものを口頭で解説するよう強制されられていく内に、あることに気づく場面です。

  

『すると何が見えるか?その見えた物を、どう言葉に置き換えるか?世界は目を通して我々のなかに入ってくる。だが、それが口まで降りてこなければ、世界を理解したことにはならない。その隔たりがいかに大きなものであるか、僕はやっと実感しはじめていた。』

  

ある物をただ見ただけでは、その物自体を理解できたことにはならない。そのことを、私も過去の経験から知っていました。

私は高校では毎日、朝から放課後までずっと絵ばかり描いていました。

石膏室という石膏像が何十体も並ぶ教室があって、一年生と二年生の時はもう嫌になるくらいデッサンをさせられたものです。

何度比率を図っても合わないデッサンに半泣きになっているところ、担任の先生が呆れたように、

「答えは目の前にあるのよ」

と言ったのが、今でも印象に残っています。

 

さらにフォッグはこう続けます。

  

『長大な距離を移動した末に、事物はようやく目から口にたどり着くのだ。物理的にはほんの七、八センチの距離でしかない。だがその途中でいかに多くの事故や衝突が起こりうるかを考えてみるなら、それはほとんど地球から月の旅と同等といってよい。』

  

人々は絵を描くときや、言葉を綴るとき、自分の内側で世界を噛み砕き、理解しようとします。それは容易なことではありませんが、とても真摯な行為であることに違いありません。ですから、絵や文章に限らず、何かを生み出すことができる人は、あらゆる人々に尊敬されるのでしょう。

  

最後に私が何度も読み返すほど、影響を受けた言葉を引用したいと思います。

『生まれて初めて、彼は結果について思い悩むことをやめた。「成功」「失敗」という概念がいっぺんに意味をなくした。芸術の真の目的は美しい事物を作り出すことではない。そう彼は悟った。芸術とは理解するための手立てなのだ。世界に入り込み、そのなかに自分の影を見出す道なのだ。一枚のカンバスにいかなる芸術的特質があろうと、それは、物事の核心に迫るという目的に向かって努力していく上での、ほんの副産物のようなものでしかない。』

 

絵画の本当の美しさとは、多くの場合、一見誰もが「美しい!」と思うようなものではありません。それは彼らが他ならない自分の思う、自分だけの「完璧」を追い求めたからではないでしょうか。 それは一人の人間が、絵の神様により近づけたという、燃えるような命の軌跡なのです。

自分の理想や幸せは、自分の心しか知りません。そのような当たり前のことを、画家の生き様が、私に教えてくれました。

  

ちなみに、あなたが好きな画家は誰ですか?

家族に聞いてみたところ、ゴーギャンやゴッホ、田中一村、バスキア、ジャン・ジャンセンなどの名前があがりました。私が初めて好きになった画家はマグリットでした。

最近日本では、印象派は言わずもがな、フェルメールやバンクシーなどが人気ですよね。個人的には鴻池朋子さんや小松美羽さんの作品が、日本の風土に基づいた感性が生かされているので、おすすめです。

ムーン・パレス (新潮文庫)

教室の詳しい内容はこちらです
さくらぷりんと
スポンサーリンク
おすすめの記事