高松市美術館「身体とムービング」展に行ってきました

こんにちは。上の娘です。

先日、高松市美術館の「身体とムービング」展に行ってきました。

「身体」と「ムービング」をテーマに、美術館のコレクションとゲストによる作品たちが展示されています。

 

この展覧会の一番の見どころは白髪一雄のアクションペインティングです。

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絵を描く、と言えば皆さんはふつうどんな光景を思い浮かべますか?

椅子に座って、パレットに絵の具を出して、筆で絵を描く様子を思い浮かべませんか?

白髪一雄はなんと足で絵を描きます。

フット・ペインティングとも呼ばれています。

ロープにぶら下がり、画面に置いた絵の具を足で踏み、滑らせ、己の身体の軌跡を絵に刻みます。

 

抽象絵画は見てもよく分からないという人か多いですが、彼の作品なら、その絵から、大きな生命の躍動を感じ取ることができるかもしれません。

 

白髪一雄は、1954年に吉原治良が結成した「具体美術協会」の一員でした。

具体美術協会は、吉原が提唱した「具体美術宣言」の理念に基づいて作品を制作しています。

日本のアンフォルメルとも称されているように、彼らの作品は前衛的で情熱的な抽象画が多く、「物体と精神が相互に自立したまま、関係すること」を重視します。

簡単に言うと、「僕らはもう、リンゴや風景は描かないし、絵の具を従えることもしない」といったところです。

彼らがしたいことは現実を切り取ったり、新たな世界観を創造したりすることではありません。

彼らが重視するのは常に精神の自由であり、作品を作ることによって、物質に生命を与えることでした。

 

この展覧会では白髪一雄の作品だけでなく、吉原治良、田中敦子をはじめとする具体美術協会のメンバーたちの作品も鑑賞することができます。

 

私は松谷武判の作品が印象に残っています。

ボンドを使って描かれた絵なのですが、今まで見た抽象画の中で一番官能的で、ずっと見ていられるような絵でした。

個人的に驚いたことが、白髪一雄の奥さんが白髪富士子だったことです。

奥さんも絵描きだったんですね。

さして重要なことではありませんが、ジャクソン・ポロックの奥さん(リー・クラスナー)も絵描きだったことを思い出して、作風以外も似てるのね、と少し面白かったです。

 

 具体の作品以外にも、高松市美術館所蔵の映像作品や、高松にゆかりのある作家、近藤亜樹、中園孔二の作品が展示されています。

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特に中園孔二はおすすめです。彼の作品はどれも評価が高く、香川でこの人の作品を見ることができるのはこの先もう滅多に無いかもしれません。

彼は東京藝術大学出身の画家です。

絵を見ればその技術力の高さに驚きます。

技術力の高さだけでなく、発想や感性の柔軟さや豊かさには押し付けがましく無い、心地良さがあります。

しかし同時に、圧倒的な個性も感じさせるのです。

不思議なのはネガティブさを全く感じさせない作品にも関わらず、そういった頭一つ抜きん出た絵を描けることです。

美術の世界は競争が激しく、学生の頃は特に、常に周りの誰かと比べられます。

美大生の作品は退屈で情熱を忘れてしまった作品か、個性を出そうと肩に力が入りすぎた、見ているこっちが窮屈で息苦しくなるような作品のどちらかになりがちです。

のびのびとした作品を作ることは「上手な絵」を描くことより千倍(もしかしたらそれ以上)難しいことです。

何かのインタビューで彼は自分にとって絵を描いていることが一番自然な状態だ、と話していました。

それに加え、ずっと運動部だったため、絵をまともに描き始めたのは芸大を受験すると決めてからだというので、私は彼のような人を本当の天才というのかもしれないなと嘆息したものです。

彼は高松にアトリエを構えていましたが、2015年、瀬戸の海で亡くなっているのが見つかりました。

25歳という若さでした。

彼がもし生き続けていたら、どんな絵を描いていただろうかと思うと、胸がいっぱいになります。

どうか天国では、もう溺れないよう、気を付けて欲しいと思います。

 

この展覧会は9月6日の日曜日までです。

絵が好きな方や美術館に癒されたいという方、休みの日にどこかでゆっくり時間を過ごしてみたいという方は、是非会場に足を運んでみてはいかかですか。

教室の詳しい内容はこちらです
さくらぷりんと
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