
もくじ
そろばんのデメリット・3つの代表意見
ネットを検索していると、そろばんのデメリットについて書かれている記事を時々見かけます。
その代表的なものは
「字が汚くなる」
「算数の文章題で式が書けない」
「筆算ができない」
の3つです。
ここではっきり言っておきますがすべて事実です。
デメリット1:そろばんを習うと字が汚くなる?
そろばんの練習目的は、「速く・正確に」です。
時間内になるべく多くの問題に正解することが求められます。
したがって、字を速く書く癖がついてしまいます。
ですから、この指摘に対しては、「だいたいその通りです」としかお答えできません。
しかし、字が汚いからといって優秀でないというわけでもありません。
また、そろばんを習っていても字がていねいな生徒はいます。
どうしても字が気になるなら硬筆を習いましょう。
ふだんは雑な字を書いていたとしても、「本気を出したらていねいに書ける能力」を獲得していれば問題ないと思います。
また、そろばんの検定では、級や段が上がるにつれて、雑な数字は不正解として×されるようになります。
私の教室が所属する全国珠算教育連盟(全珠連)では、その採点基準が明確に定められており、生徒は検定に合格するためには、きちんとした字を書かなくてはなりません。
文化と科学を混同しません
字をていねいに、美しく書くことが好まれるのは、日本人の文化です。
習字は平安時代から盛んで、数多くの流派が生まれました。
しかし、字の美しさや丁寧さと知性が比例するという「科学的に根拠がある話」を私は聞いたことがありません。
勉強を指導していると、「字がきたない」ことを注意したくなる場面が何度もありますが、それは日本人の本能としての無意識の作用だと自戒するようにしています。
生徒達には、TPOに合わせて、字のていねいさを調節するように指導しています。
デメリット2:算数の文章題で式が書けなくなる?
この意見は一般論としてはあてはまるかもしれませんが、私の教室にはあてはまりません。
私の教室では、すべての4年生以上に『12種類の特殊算』を学んでもらいます。
この『12種類の特殊算』は、さくさく文章題という形で公開しています。
大量の練習問題のすべてに、ていねいな解式と解答、また必要であれば解説図を付けています。
したがって、私の教室の生徒は、たくさん文章題を練習することになります。
また、私の教室は全国珠算教育連盟に所属していますので、そろばん3級以上の検定試験には、文章題が出題されます。したがって、そろばん学習の中にも、文章題の練習は組み込まれています。
文章題で式が書けないのは、そろばんに問題があるのではなく、通っているそろばん教室の特徴によると言えるでしょう。
ただし、文章題を教えないそろばん教室がよくない教室というわけではありません。
文章題に力を入れていない教室は、他の強みを持っているかもしれません。
競技会に力を入れている
十段を多数輩出している
などの強みです。そういった教室は、必然的に算数的要素が少なくなります。
これは、良い悪いの問題ではありません。
通わせる教室の特色を考慮に入れて教室を選んでください。
デメリット3:筆算ができない?
そりゃそうでしょう。 筆算より速く答えが出るのですから。
だから、そろばんを習っていると筆算は下手になる可能性が大きくなります。
事実、そろばん日本一になった某先生も、「小学生のときわり算の筆算ができなった」と告白しています。
私自身も、小学生の時に計算ドリルの宿題がとてもめんどくさかったのを覚えています。
しかし、算数は得意でした。
そろばんを習わせているのに、筆算ができないとなれば、親としては悲しいでしょう。
ですから、私はそろばんを習っているのに筆算ができないのは、「そろばん教室の責任」として対策や対応をすべきと考えていますが……
そもそも、小学校の筆算レベルでつまづくようでは、そろばんの練習もしっかりできていない可能性が濃厚です。
なぜなら、ある程度暗算の級が上がってくると、こうした問題は関係なくなる、あるいは気にならなくなるからです。
筆算式を上回る圧倒的な計算力が身につくため、筆算をするまでもなく、ひと目見ただけで答えが見えてしまいます。
したがって、こういう細かい問題は気にせず、ひとたびそろばんを習い始めたなら、暗算1級合格目指して一心に練習するのが良いと思います。
まとめ
ネットで見かけた「そろばんのデメリット」は、私にとってはどうでもよい問題でした。
「字が汚い」「算数で式が書けない」「筆算ができない」などの問題をそろばんのせいにするのは、たしかに「一般的には当たっている」かもしれません。
しかし、私の教室はかなり変わったそろばん教室ですので、すでに対策済みというか、正直どうでもよい問題でした。
では、そろばんを習うメリットは?
ここで私が四の五のと言うよりも、実際の生徒の声を聞いてみてください。
以下は、私が自分の教室の生徒にインタビューを行った記事です。
この記事がすべてを示しているわけではありませんが、これからお子様にそろばんを習わせようかどうしようか考えている方の参考になると思います。