もしも、原稿用紙2枚分の作文を書かなくてはならないとしたらどうやって書くの?
と妻に問われました。
ということで、ちょっとしたコツを披露します。
想定学年は、小学校4年生~6年生ぐらいでしょうか。
まず、「夏休みの課題作文」というワードで検索をかけてみましょう。
あちこちクリックしているうちに、こんなサイトを見つけました。
このページの中ほどに、「小学校高学年」の題材例があったので見てみましょう。
自分の住む町を紹介する
自分が通う小学校を紹介する
好きな本を紹介する
読書感想文
習い事について
動物や植物、自然を観察して気づいたことを書く
スーパーに買い物に行った体験談
料理をした体験談
家族旅行の思い出
自由研究の記録
社会科見学で学んだことと感想
地域の行事に参加した体験談
運動会でがんばりたいこと
学習発表会でがんばりたいこと
私の将来の夢
10年後の自分への手紙
自由に題材を選んでよいなら、書きやすそうだと思ったものを素直に選びましょう。
ここでは、「家族旅行の思い出」と「社会見学の感想」を例にとって、原稿用紙2枚の作文に仕上げていきます。
書きあげる順番はこうです。
ではいってみましょう。
もくじ
準備体操
むやみに書き始めてもいいことは1つもありません。
まず原稿用紙2枚のサイズ感を知る必要があります。
原稿用紙2枚は800字です。
とは言え、字下げや段落も含めての800字ですし、最後1~2行空白になるくらいはご愛嬌です。
ぴったり800字を書く必要はありません。
準備体操では、まず200字を書く練習をします。
「200字がどれくらいか」という感覚をなんとなく覚えましょう。
なんとなくでいいです。
それでは、突然ですが、昨日あったことを200字ぴったりで書いてみてください。
昨日あったことの例「花火をしました」
ヘンな終わり方ですね。「外に行」で終わっています。
なんと、ここで200字がきてしまいました。
細かいことをあれこれ書いていると、200字はあっという間にきてしまうことが分かります。
昨日あった花火のことを書こうとしたのですが、花火の準備の話だけで200字になってしまいました。
そう考えたら、「家族旅行」で800字は楽勝のように思えてきます。
ちょっと収まりが悪いので、花火の話を200字にまとめます。
これで200字ちょうどです。これを4つ書けば800字ということです。簡単ですね。
段落と見出し
200字を基準に考えると段落分けもやりやすくなります。
800字目標なので、4段落構成になります。
ここで段落構成が決まったら、見出しをつけます。
家族旅行で作文を書く場合
1段落 大阪へ行く
2段落 楽しい海遊館
3段落 きれいなホテル
4段落 商店街のタコ焼き
この段落構成のコツは、「帰り道」のことを書いていないことです。
お出かけ系の作文は、時系列で書くことが多いので、最後「帰り道」の話になりやすいのですが、どうしても書きたいことがない限り「帰り道」は書かない方がいいでしょう。
1段落 大阪へ行く
2段落 楽しい海遊館1
3段落 楽しい海遊館2
4段落 商店街のタコ焼き
段落構成の2例目では、海遊館のことを2段落にわたって書いています。
最初の200字作文で分かったように、200字でまとめようとすると、細かいことが書けないことがあるため、この旅行のメインである海遊館でたっぷり字数を確保しました。
では、2例目の段落構成で、各段落の部品を作っていきましょう。
1段落 大阪へ出発
今日は、待ちに待った旅行の日です。
これから大阪の海遊館へ行きます。昨日の夜、お母さんと一緒に荷物の用意をしましたが、その後おふとんに入ってもなかなか眠れませんでした。
でも、いつの間にか寝てしまったみたいで、朝がきました。
お父さん、お母さん、お兄ちゃんと私で、お父さんの車に乗り込みます。
まず、鳴門の橋を渡って、淡路島を通り、明石大橋を渡りました。明石大橋は、とても大きかったです。
そのあと、ずっと高速道路で大阪に向かいました。
228文字です。400字詰原稿用紙では15行になります。少しオーバーしていますが気にしません。
2段落 楽しい海遊館1
「ちょっときゅうけい。」
と言ってパーキングエリアによりました。
私は、パーキングエリアできゅうけいなんかしなくていいので、早く海遊館に行きたいなと思いました。
そして、やっと海遊館に着きました。朝早く起きて出発したのに、もう11時ぐらいでした。
中に入ると、ネットで見たそのまんまが目の前にあって、本当に海遊館に来たんだと思いました。
はじめに、アクアゲートです。海のトンネルみたいになっていて、とてもきれいで、いろいろな魚を見ることができます。
第2段落は233文字、原稿用紙15行です。
ここまでで合計30行になってしまいました。
それでもいいのです。
作文は、足りない字数を付け足すよりも、超えた字数を減らす方が楽だからです。
3段落 楽しい海遊館2
まず水そうがとても巨大でした。その中でジンベイザメがゆったりと泳いでいます。しばらく見ていると、飼育係の人がダイビングのかっこうをしてもぐってきました。えさやりの時間です。ずっと見ていると、飼育係の人がこちらに向かって手をふってくれました。すると、見ている人たちがみんな笑ったり手をふったりしました。私も手をふりました。
他にも、海遊館は、見るところがとても多かったです。ぜったいに、また見にきたいです。
225字、13行になりました。
ここまでの合計43行です。原稿用紙2枚では3行オーバーしてしまいました。
4段落 商店街のタコ焼き
どうしても書きたいエピソードがある場合は、書きましょう。
そうでない場合は、海遊館の話で原稿用紙2枚分に届いたので、省略します。
仕上げ
1段落から3段落までで、合計43行になりました。
清書する前に、どこかを4~5行ほど減らします。
このように、「あったこと」を作文にする場合、字数を満たしたら予定変更ということができます。
「ちょっときゅうけい。」
と言ってパーキングエリアによりました。
私は、パーキングエリアできゅうけいなんかしなくていいので、早く海遊館に行きたいなと思いました。
そして、やっと海遊館に着きました。朝早く起きて出発したのに、もう11時ぐらいでした。
中に入ると、ネットで見たそのまんまが目の前にあって、本当に海遊館に来たんだと思いました。
はじめに、アクアゲートです。海のトンネルみたいになっていて、とてもきれいで、いろいろな魚を見ることができます。
ここでは、パーキングエリアの部分を減らします。
4行減らしたので、全部で39行になります。
原稿用紙2枚に書くと、最後の1行だけ余る計算になります。
実際は字下げ処理の関係で36行になりました。
いずれにしても、できました。
完成品はこちらです。
社会科見学で学んだことと感想
次は、段落構成の予定変更がしにくい場合でやってみましょう。
テーマは社会見学の感想を取り上げます。
社会見学も、「行って」「見て」「感想」という要素は家族旅行とたいして変わりはありませんが、書き方はまったく違うものになります。
社会見学では、「行く前」と「行った後」で自分の考え方やものの見方にどんな変化があったかを必ず書きましょう。「楽しかった」「また行きたい」ではダメです。
では段落構成にいってみましょう。
ダムを見学して
第1段落 ダムって何のためにあるの?
第2段落 早明浦ダムの役割①
第3段落 早明浦ダムの役割②
第4段落 ダムの見学でわかったこと
段落構成が決まったので、中身を書いていきます。
目標は200字前後です。
第1段落 ダムって何のためにあるの?
今回私たちが行ったのは早明浦ダムです。
早明浦ダムには4つの役割があります。
①洪水の調節、②維持用水の確保、③新規用水の供給、④発電の4つです。
私は、①洪水の調節と②維持用水の確保について説明します。
206文字、12行です。
第2段落 早明浦ダムの役割
雨が過ぎ去ったら、貯めた水を流してダムの水位を下げまた次の大雨に備えます。
このようにして、ダムが調節してくれることによって、川ははんらんせずに、私たちは安全に住むことができます。
173字、10行です。
第3段落 早明浦ダムの役割
もし、雨が降らない期間が長くなると、川の水が減って、川の生き物が死んでしまったり、水質が悪くなったりします。
川の水がなくなったり、水質が悪くなると生き物だけでなく、私たちの生活にもえいきょうがでます。
そうならないように、ダムの水を流すことで川の水を保ち、川の環境を守っています。
195文字、11行です。
第4段落 ダムの見学でわかったこと
109文字、6行です。
最後のまとめは短くてよいのです。
4つの段落を合計すると、39行となり、これで原稿用紙2枚で最後の1行が余る計算になります。
誤字脱字に気を付けて清書しましょう。
完成品はこちら
結論
200字を基本単位にすると、原稿用紙2枚程度の作文は簡単に書けることがお分かりいただけたと思います。
私は200字作文の指導技術は、20年以上前に知りました。
今もときどき生徒に指導します。(10分間読書の物語要約を200字ちょうどで書く等)
200字の感覚を身に付けると、作文がとても楽になります。
参考になれば幸いです。