本当は「算数が得意になる3つのコツ」みたいな題名で記事を書いた方がアクセス数的においしいのでしょうが、理由があってこんな題名になっています。
というのも、私の教室は「生徒の学力を根本から解決すること」を常に考えていますので、
生徒が間違えた問題を「分かりやすく説明して」
生徒が理解してくれたらそれでいい
というではないのです。
それでもいい場合もあるのですが、何か根本解決になっていない、一歩足りない気がすることが多いのです。
それは、生徒が間違う問題に対して「モグラたたき」のように、対応しても学力に何かしら問題を抱える生徒には効果はほとんど実感できないことがあるからです。
なぜなら、こっちが「モグラたたき」をやっている間に、学校の方でもどんどん授業が進むので、
週に1回や2回の教室での「モグラたたきタイム」では到底時間が足りません。
だから、宿題を出したり、いろいろ工夫もしますが、教えていて一番困ることがあります。
生徒の自己肯定感が低い
これに尽きます。
自己肯定感が低い間は、教えても教えても、穴のあいたバケツに水を注ぐような気持になってきます。
だから、自己肯定感をなんとかする方法を考えなくてはなりません。
よしわかった、じゃあ自己肯定感向上プログラムだ、と自己肯定感向上シートだの、フローチャートだの、気付きを作文に
とかやっていると、今度は勉強する時間が削られてしまいます。
うちは自己啓発セミナーではないので、そんなことはやりません。
したがって私の教室で行うことは、「勉強しながら自己肯定感も高める」という一石で二鳥を狙う指導になります。
さて、そこで私が四苦八苦して開発した技術の1つが、表題にある
「算数の成績がどんどん落ちる3つのコツ」
なのであります。
発表します。
①補助計算をきちんとやらない。
②図や絵を描かない。
③消しカスが多い。
この3つです。
算数が苦手な子、あるいは勉強で自信を失っている子は、たいていこの3つがどれかはあてはまります。
これは「成績をどんどん下げるコツ」なので、1つでもあてはまる人は、注意してください。
私はこの3つのコツをサインペンで書いて生徒に見せます。
「あてはまるものはありますか?」
と聞けば、たいていの生徒は苦笑します。つまり、どれかがあてはまる。
「成績を下げるコツを一生懸命実行してきたんだから、成績は下がって当然ですね。それは、頭が悪いわけでも、問題が難しくて理解できないわけでもなく。やり方が間違っていたということになりませんか?これから、成績を下げるコツの逆をやっていけば、成績は上がるはずです。」
とやって、その生徒の自己否定を打ち消します。
問題は、自分の能力や理解力にあるのではなく、やり方が悪かったのだと思ってもらうのです。
そして、実際そうであるケースが多いのです。
もくじ
①補助計算をきちんとやらない
まず、当然ですが補助計算を書かないのは論外です。
補助計算をノートのはしっこに小さく書いたり、筆算が斜めだったりするのも「きちんとやらない」に含まれます。
余程自信がある人以外は、補助計算と計算の式は、同じ大きさで書くことを推奨しています。
②図や表を描かない
これは、先生が手伝ってあげます。
たいていの生徒は図や表を描くことに慣れていません。
先生が描いた図や表は、家でノートに写してくるのが宿題になります。
それを地道に繰り返すことで、自分で図や表が描けるようになります。
また、私が図や絵を描いてあげただけで、正しい式が書けることが多いので、間違えたのは「頭が悪い」のではなく、「絵を描かなかったからだ」ということが分かります。
目の前の生徒1人のために、100人以上の棒人間を描いたことなど何回もあります。
「めんどくさがらずに描くんやで」
と言いながら、先生が率先して描いてあげれば、生徒の気持ちは図を描く方向に流れていくものです。
「図を描けよ!」
「なんで図を描かないんや!」
と叱りつけても、生徒は図を描くようにはなりません。
パワハラ指導は絶滅すればいいのにと願っています。
③消しカスが多い
消しゴムの回数が多い生徒は、何らかの問題を抱えています。
そういう生徒にはボールペンやサインペンを渡してしまいます。
これで消しゴムを使うことはできません。
間違えたときは、「きれいな×」をして書き直します。
どんな間違いをしたか残しておくことは、大切ですが、子供は「間違えた自分の姿」は黒歴史として消し去りたいと思うものです。
しかし、それをしていては学力は向上しません。
自分で見返したときに、
「なんでこんなアホな間違いをしたんやろ?」
と思えることこそ、成長の証です。
生徒が間違える
→先生が絵を描いてあげる
→正しい式と答えが分かる
→「なんでこんなアホな間違いをしたんやろ?」
この実感をたくさん作ってあげることが大切です。
まとめ
おさらいしましょう
①補助計算をきちんとやらない。
②図や絵を描かない。
③消しカスが多い。
ようするに、これの逆をやればよいのです。
算数の成績は必ず上がります。
ぜひ参考にして下さい。