fa-check-circle-oそろばんを習い始めたのに、なんだか級の進み具合が思わしくない。
fa-check-circle-oそろばんを習い始めて、結構進級したのに、テストでの計算ミスが減らない。
こんな状態があてはまると思った方は、私が今日お話する「罠」にはまっているかもしれません。
通常、そろばんの進級は練習量に比例します。
私はよく生徒に言います、
なわとびと一緒だよ
要するにたくさん練習した人の勝ちです。
しかし、真面目に練習しているつもりでも、子供がついついはまってしまう罠があります。
今日はそのことについてお話していきます。
もくじ
待ちうける罠 その1・筆算式で計算している
そろばん式の計算では、「あわせて10になる数」「あわせて5になる数」の組み合わせだけを考えて計算をします。
このそろばん式の計算法で計算をすることによって、
とんでもないスピードと正確さ
で計算をすることができるようになっていきます。
ところが、生徒によっては、学校で習う方法(私は「筆算式」と呼んでいます)で計算してしまう子がいます。
「その方が楽」だとかんちがいしてしまうからです。
筆算式でも、初級ならば検定に合格することができるのですが、そろばん式の計算方法を身に付けないまま級が上がると、
ある級からまったく進まなくなってしまいます。
これが1つ目の罠です。
気をつけろ!
待ちうける罠 その2・そろばん式と筆算式を混ぜる
その1の罠は、分かりやすいので、教室でも先生たちが発見したらすぐに対応します。
そろばん式の計算法でやってもらうように、一緒に問題を解いたり、
「実は、そろばん式の方が得だし楽だよ」
と本人を説得したり、
なるべくそろばん式でやってもらうよう、あの手この手で誘導します。
うちの生徒は、みんな素直なよい子なので、たいていは分かってくれます。
そして、先生の前でそろばんを弾くときだけは、
「あわせて10」「あわせて5」を使ったそろばん式のやり方で計算をしてくれます。
ところが、
人間はそんなに強い生き物ではありません。
先生の前では、意識して上手にできていたそろばん式の計算法なのに、
自分の席にもどって一人で練習するときは、なんとなく筆算式のやり方を混ぜてしまうことがあります。
筆算式をまぜると、その部分がスピードダウンと混乱の原因になってしまいます。
結果、教材のレベルアップ、進級のテンポが遅くなったり、全く次に進めなくなって、モチベーションが崩れる原因になってゆきます。
待ちうける罠 その3・学校の算数の時間にそろばん式暗算を使う
学校では筆算式の計算を習います。
そろばんを習って、ちょっと計算に自信がつくと、学校の計算でそろばん式暗算を使う子がいます。
使ってもかまわないのですが、自分の実力以上の計算も暗算でやろうとして、
逆に墓穴を掘ってしまう場合があります。
筆算式の計算は、それはそれで大切な技術ですので、繰り上がり・繰り下がりからきちんとマスターすべきです。
下手に暗算力を使って、学校で習う大切な算数の計算技術をないがしろにすると、痛い目に合います。
算数は算数。そろばんはそろばん。
学校で暗算力を使っていいのは1級に合格してから!
待ちうける罠 その4・読み書きの力が低い
「なんじゃそりゃ?」
と思った人もいるでしょう。
しかし、読み書きの力は、そろばんの進級と深くかかわってきます。
そろばんで計算するときは、
数字を見る→そろばんに数字を入れる→次の数字を見る→そろばんに数字を入れる→……
の繰り返しです。
視線が問題とそろばんを何度も往復することになります。
そこで、「読み書きの力」が低いと、
同じ数字を何回も確認したり、
数字を読み間違えたり、
数字を飛ばしたり、
どの数字を見ていたか分からなくなったりします。
だから、「読み書きそろばん」はセットで練習するのがよいのです。
まとめ
そろばんを習うときに気をつけないとならないポイントを4つ解説しました。
私の教室では、この罠になるべく生徒がはまらないように、
何重にも工夫の網の目をはっています。
それでも、ときどき、どうしても罠にはまってしまう子もいます。
そういう場合は、特に先生たち同士で気にかけて、早く罠から脱出できるよう指導しています。
そろばんを習っている子供たちが、なるべくこうした罠にはまらないことを祈ってこの記事を書きました。