もくじ
意見提示作文の書き方・基本
意見提示作文の基本形は『国語の鍛錬5-6・いるいらない論文』で書き方の練習をすることができます。
国語の鍛錬 5-6 いるいらない論文
意見提示作文は、
という段落構成で書くのが基本です。
簡単な例を出します。
私はソフトクリームが好きだ。(主張)
なぜなら、ソフトクリームを食べるととても幸せな気持ちになれるからだ。(根拠)
だから、私はソフトクリームがなくなると困る。(まとめ)
この基本形にさまざまな要素を足していくと結構立派な意見提示作文を書くことができます。
対比メモを使おう
今回は「対比メモ」を用いて意見提示作文を書いてみましょう。
先日、『小僧の神様』を題材にして読書感想文の書き方を解説させていただきました。
この記事で、「お金持ちが、気まぐれに貧しいものに施すことは果たしていいことか」を考えるための作文について予告しましたので、それをやります。
まず、対比メモを作ります。
対比メモとは
テーマ
お金持ちが、気まぐれに貧しいものに施すことは果たしていいことか。
①貧しいものにとって
メリット
施しを受けたその時だけは、助かる。
デメリット
あてにするようになる。
恩恵はそのときだけで、貧しさの根本解決にはならない。
赤いマーカーの部分が対比になっています。
②お金持ちにとって
メリット
善行を積んだという自己満足を感じる。
与えるものとしての優越感を感じる。
デメリット
施したことが、本当の意味でその人を助けるとはかぎらず、無駄に終わることもある。
こちらでは特に対比はありませんが、デメリットの部分は、「貧しいもの」のメリットと対比になっています。
この対比メモは「お金持ちが、気まぐれに施すことはよくない」という立場で作っています。
もちろん、「お金持ちが、気まぐれに施すことはよいことだ」という立場で作ることもできなくてはなりません。例えば、
それで救われる命もある
恵まれない立場の者にほどこすのはお金持ちにしかできない
などの論点を挙げることができます。
ここでは、「よくない」という立場で作文を書いてみましょう。
の基本形がありますが、②根拠の部分に、対比メモで箇条書きにした内容を詰め込みます。
また、作った対比メモの箇条書きは、全部使ってもいいですし、一部だけを利用するのでもかまいません。
(主張)私はお金持ちが、貧しいものに気まぐれに施すことはよくないと考えます。
理由は二つあります。
(根拠1)第一に、施しを受けた貧しい人は、またもらえるのではないかとあてにするようになるかもしれないからです。たしかに、施しを受けたそのときは助かるかもしれません。しかし、助かるのはそのときだけで、貧しさを根本的に解決することにはなりません。
(根拠2)第二に、その施しは、お金持ちの人にとっては、「私はよいことをした」という自己満足に終わる可能性があるからです。お金を持っているなら、気まぐれに貧しい人を助けるのではなく、もっと多くの人の役に立つようなことが何かできるはずです。
(まとめ)このように、お金持ちの気まぐれな施しは、あまりよくないと考えます。気まぐれにほどこすのではなく、せっかくお金持ちになったのなら、もっと有意義な使い方を考えてほしいです。
根拠1の段落では、対比メモで作った対比の内容を「たしかに~しかし~」構文に組み込んでいます。
対比メモは、「たしかに~しかし~」構文の元になるということも覚えておきましょう。
今回は、対比メモを使った意見提示作文の書き方を解説しましたが、意見提示作文を書くときに、必ず対比メモを作らないとダメというわけではありません。
いろいろな書き方に挑戦して、自分に合う書き方を見つけましょう。