読解力を伸ばす方法

以前に、『AIに負けない子どもを育てる』に関する記事を書きました。

私も長年国語指導をしてきた身として、とても勉強になりました。

で、

 

 

じゃあ、読解力を伸ばすにはどうすればいいんだよ

 

という疑問が当然出てまいります。前掲著の中でも、著者の新井博士は何ページにもわたって読解力を身に付けるポイントを列挙されておりました。

本日の記事では、私なりに考えている「読解力を伸ばすポイント」を述べさせていただきたいと思います。

読解力を伸ばす5つの力
①語彙力 ②音読力 ③視写力 ④論理力 ⑤言語記憶力

 

読解力を伸ばすには、複合的に言葉の力を鍛える必要があります。

「ここのツボを1つだけ押せばいい」という単純な問題にはなりません。

さて、ここからは我田引水となります。

私の作った教材が、それぞれ上の5つの力とどのように関係しているかをご説明いたします。

 

もくじ

①語彙力

語彙力は、『暗誦詩文集』『国語の鍛錬』『ことばドリル』『四字熟語集』などの教材で獲得していきます。

また、語彙力は日常会話でも鍛えることができます。

大人同士の会話では、慣用句、暗喩に直喩、ことわざ、四字熟語などさまざまな語彙が飛び出します。

子供との会話で、手加減なしで大人を相手するのと同じように話してみると

「それ、どういう意味ですか?」

と聞かれることがあります。

聞いてくれる子供はまだいいのですが、意味の分からない言葉をそのまま流してしまう子供がいるので注意が必要です。

日常会話でも語彙力は鍛えることができますので、子育て中の保護者の方は、難しいかなと思うような表現でもどんどん子供にむけて発してみることをおすすめいたします。

 

②音読力

音読力は決して軽視してはいけません。

生徒の音読を1分聞いただけでおおよその成績予想がついてしまうほど、生徒のいろいろな能力が音読に反映されます。

暑さ寒さも彼岸まで

ということわざがありますが、これを

暑さ寒さも彼岸まで

のように読んでしまう生徒がいます。

これを「勝手読み」と私は呼んでいます。

「勝手に自分の読みやすいように変えて読んでしまう」症状です。

書かれていることは、常に「正確に読まなくてはならない」という意識を持つことが出発点となります。

また、語尾が曖昧になる読み方をする子供もたくさんいます。

昨日の晩ご飯は焼肉でした。

昨日の晩ご飯は焼肉でし…。(小声)

のような感じで、文末まできちんと読まない生徒は後を絶ちません。

文末だけでなく、途中の助詞でさえも発語しているのかどうか曖昧な読み方をする生徒がいます。

そういう子は、たいてい音読に自信を持っていません。

自信を持っていないから、曖昧に済ませようとするのです。

それを聞き手の側が見逃していたら、読み手の生徒は助長するばかりですので、一字一句きちんと読むまで我慢強くつきあってあげる必要があります。

音読は、『暗誦詩文集』『国語の鍛錬』をはじめとして、さまざまな場面で要求されます。

私の読解力指導は、音読を大切にしています。

 

③視写力

「正しく写す」能力は大変重要です。

これは、いくらでも鍛えなくてはならない部分なので、私の作成した国語教材では、「正しく写す」という動作は、あらゆる場面に組みこんでいます。

私が指導するときは、「正しく写す」だけでなく。

自分が写したものを「正しく音読する」ということまでやります。

②音読力と③視写力は、私の教室ではたいていセットになっています。

 また、この視写力は「書く力」と言い換えてもいいのですが、それについては、以下の拙記事でも説明させていただきました。

 

私の教材では、『暗誦詩文集』『国語の鍛錬』などで視写力を鍛えることができます。

補足として説明すると、『暗誦詩文集』では、習っていない漢字や語句をそのまま写し書きをして、さらに音読しなくてはなりませんので、「語彙力」「音読力」も同時に鍛えることになります。

 

 

④論理力

①~③で指摘した力に加えて、論理力が身につけば読解力はかなり高まります。

私の教材では、野矢茂樹博士の『論理トレーニング』『論理トレーニング101題』などを非常に参考にさせていただいております。

接続表現を軸とした論理展開の考え方は、非常に合理的です。

私も「そして」「だから/なぜなら」「しかし」「たとえば/つまり」を軸に論理の基本が学べるように教材を作成しています。

『国語の鍛錬』『作文ワーク』でそれを学ぶことができます。

 

 

⑤言語記憶力

言語記憶は鍛えれば伸びます。

これは個人によって違いがあることは承知しています。

しかし、一般的な定型発達の生徒は、多くの場合

「言葉をそのまま丸暗記する」

という経験が圧倒的に少ないため、これを日常的に経験させることにより、「鍛えて伸ばす」ことができるのです。

はじめは音数の少ない「俳句」から、「和歌」「漢詩」のように、一度に暗記する量を徐々に増やしていくことによって、生徒の言語記憶のキャパを増大させてゆきます。

このことが学習能力に効き目があるのは当然ですが、言語記憶能力を鍛えることは、同時にテキストの読み取り能力も向上させる狙いがあります。

したがって、俳句や和歌などの「古典の暗誦」は、読解力を伸ばすことにも一役買っているのです。

 

まとめ

読解力を伸ばす5つの力として

①語彙力 ②音読力 ③視写力 ④論理力 ⑤言語記憶力

 

をご紹介し、それぞれについて簡単に説明させていただきました。

これはあくまで私の提唱する意見ですので間違いもあるかもしれません。

しかし、この5つの力を伸ばすために、私が作成した教材をしっかり学習すれば、必ず読解力は向上するとお約束いたします。

私の作成した国語教材は、さくらぷりんとで公開しておりますので、私の教室に通えないという方は、ぜひそちらの教材で勉強してみてください。

 さくらぷりんとで公開中の国語教材

 

 

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