
最近
『シュレーディンガーの猫を正しく知れば この宇宙はきみのもの』
(さとうみつろう・保江邦夫)
という物騒なタイトルの本を読了しました。
読んで終わった暁には、銀河帝国の皇帝にでもなれるのかと思っていたのですが、
そうではなく、
内容はいたって硬派な量子力学の歴史を概観するようなものでした。
正直、私のような凡夫には理解できない箇所がいくつもありましたが、それでも読み進めて分かったことは、
保江邦夫という人物の面白さでした。
この人は合気道の先生もやっていて、その動画を何本か観たのですが、
「おいおいマジかよ・・・・・・」
という技を見せてくれます。
興味のある方は検索してみてください、たくさん出てきます。
その合気道の技を披露するにあたって、保江氏が語る印象的な言葉がありました。
「空間に感謝して、仲良くなる」
「空間を切り取る」
というものです。
そういえば、先に紹介した本の中にも、湯川秀樹氏が提唱した素領域理論について、保江氏が研究を進めた話が出てきます。
この世界の「空間」は、小さな泡が集まったような形をしており、素粒子はひとつの泡から隣の泡へジャンプするのだそうです。
なるほど、わからん・・・・・・
しかし、「空間」というのは、どうやらキーワードのようです。
「空間に感謝して、仲良くなる」
よく考えたらスポーツ選手や武道家がみなやっていることです。
グラウンドに一礼する、道場に一礼する。
これは、自分が鍛錬を積む「空間」に対して感謝し、仲良くなるという意味があるのでしょう。
さて、ここで話は飛ぶのですが、とある本屋さんの店長がYouTubeで語っていることを聞いて衝撃を受けました。
「本には重力がある(電子書籍にはない)」
というのです。
詳しくは、記事下にリンクを貼っておきます。
「本に重力がある」という表現は、あくまでも(量子力学的な)比喩ではあるのでしょうが、私にはすごく説得力がありました。
というのも、最近いろいろな本の読み方を試していて、
Audibleというオーディオブックのサービスで
「あっという間に人は死ぬから」(佐藤舞)
という本を聴いていたのですが、思っていたよりも1万倍の良書であったため、ぜひ紙の本で買い直そうと思ってしまいました。
なんだかんだ言って、気に入った本は紙のものを買って手元に置いておきたくなるものです。
話を元にもどします。
「本には重力がある」
という言葉に感銘を受けているうちに、
「じゃあそろばんも同じやん!」
と夫婦で盛り上がってしまいました。
電卓をはじめとする電子計算機は確かに便利だけど、そろばんという「重力」を持った存在が、その「空間」にある。
それを、五感を使って操作し、計算する。
量子力学の難しい話はよく分からないけど、そろばんはいいものだということは改めて腹に落ちた。
そんなお話でした。
今回参考にした本や動画
「あっという間に人は死ぬから」佐藤舞
「シュレーディンガーの猫を正しく知ればこの宇宙はきみのもの」保江邦夫・さとうみつろう
本を読むなら『電子書籍』と『紙の本』、どちらが正解なのか|小田真嘉×清水克衛
【合気道】秘技・ドクターストレンジ!空間を切り取れ!/[Secret technique "Dr. Strange"]What is cutting through space?